テキストを作成するために近所のKンコーズへ行った。
Kでは私の前に受付でシニアの男性が、
注文した暑中お見舞いのハガキを受け取っていた。
レジの20代の女性が「領収書は必要ですか?」と聞くと、
「さっき要りませんって言ったよね」と言ったのを発端にシニア男性のお説教が始まった。
メールの対応の仕方に始まり、最終的にお宅のビジネスモデルはなんちゃらだとか、
お客さんを大事にしとらんだとか、この際言っておこうという感じでねちねち言い始めた。
女性スタッフは「そうですか。すみません」と謝っていたが、
心から悪いと思って言っていなかったと思う。
(だって、「ビジネスモデルが…」と私に言われても…という感じでしょう。)
そうすると、シニア男性はさらに次から次へと今までの不満を絞り出すように述べ始めた。
とうとう、奥にいた男性(店長?)が間に入って「申し訳ありませんでした」と謝ったので、
やっとその場を去っていった。
「あー、最近多いなー」と思いながら、別の女性スタッフさんに「大変ですね。」と話しかけると、
その女性は「いやー、不快な思いをさせてすみませんでした」と頭をペコっと下げた。
シニア男性は「俺は教えてあげているんだ」という態度。
女性は「そんなこと言われても私は分かりません」という感じで対応していたので、
お互いにすれ違ってしまうのは仕方がないだろう。
たしかに男性がおっしゃっていることも分からなくはないが、
吉野弘氏はこういっているじゃないですか。
「正しいことを言うときは、少し控えめにしたほうがよい」(祝婚歌の一節)
男性の相手を見下したような伝え方は、部外者だけれども不快というより、
哀れな感じがした。
このやりとりの後、女性スタッフに「一人でやると失敗することが多くて、
コピーの取り方をすみません教えてください」とお願いすると、
とっても優しく親切に教えてくれた。
「コピーくらい自分でやってよ」と思うかもしれないが、
最近のコピー機は複雑なので教えてもらったほうが早いと思い、お願いした。
こんなことがあった後なのにとても親切なので「偉い!」と思った。
私だったら元気なかっただろうな。
女性は私の娘くらいの年齢だから、どうしても重なってしまい、
味方してしまうのかもしれないけれども、世の中にはもっといろいろな人がいるからね。
度を超えたクレームはカスタマーハラスメントと言われる。
こんなご時世でもあり、とくに現役を退いたシニアの方のクレームが多い。
先日も駅で電話しながら大きな声で怒鳴っているシニアの男性を3~4回見た。
企業戦士として猛烈に働いてきた世代なので、
何か教えてあげようと思いたくなるんだろう。
自分より下だと思った相手に対して、自分の正義を振りかざすのは
ちょっと違いますよ。
クレームを受けるほうは、あまり叱られたことがない世代だから、
辞めたくなるのも無理ないかもしれない。
企業やお店の責任者は、接客スキルのなかに、
このような場合の事前に対応の仕方を教えておかなければ、辞めちゃいますよ。
ということで、コロナの時期だからこそ今は苦しい接客業にとって、
スタッフ教育が必要だと感じたのでした。